神道のいろは

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稲荷神社について

稲荷神とは
 稲荷神とは食を司る穀霊神であり、屋敷神として多くの家々にまつられています。日本中で最も広く信仰されている神様です。全国の神社の30%はこの稲荷神社です。
お稲荷さんの御利益
 五穀豊穣、家内安全、大漁守護など。
キツネと稲荷の関係
 古来よりキツネは稲荷神の使いとされてきました。全国の稲荷神社には狛犬ではなく、キツネの像が神前を賑わしています。
キツネが宇迦之御魂神の神使となった理由は‥
(1)一般には「うかのみたまのかみ」の別名が「みけつ神」であったことから、ミケツのケツがキツネの古名「ケツ」が想起され、用いられた。
(2)キツネを田の神の先触れと見たから
 尊い神は容易には姿を見せてはくれません。この神の使いであるキツネを通さなければ神霊をうかがい知ることはできないと考えられ、キツネがご祭神とともにまつられる必要性が生まれたのです。

民間のキツネ信仰

●狐塚 キツネは田の神とされていたので、これをまつる祠が各地にできました。これが、いわゆるキツネ塚です。
●キツネと託宣 キツネを通じて神から託宣を聞こうとする行為も各地によく見かけられる風習です。人間にある種の霊が憑くというのは、洋の東西を問わず昔からある現象です。日本では稲荷の先走りであるキツネが、神霊の託宣のために人間にとり憑くと考えられています。イナリオロシ、イナリサゲとも言います。
●鳴き声 キツネの鳴き声で吉凶を占うというものです。
●寒施行 冬の寒中にキツネに食物を与えて回る習慣。地域の稲荷講の人々が、狐塚や狐穴にお供えの赤飯と油揚げをセットにして供えました。穴施行ともいいます。
●キツネ狩り 小正月の頃、七歳から十二歳の男の子が、ワラで作ったキツネを青竹の上につけ、それを先頭に太鼓をたたきながら村中を巡り、手に持った御幣を振りつつ、「福キツネ」を迎えてくるというものです。
●キツネ憑き 憑依は、古い時代には神の使いである動物の霊を呼んで、神の言葉を聞くというまじめな信仰だったのですが、仏教の教えが広がるにつれて、託宣としての様相が薄れ、その後は呪術と結びついて、邪宗という印象が強くなってしまいました。憑き物は特定の人、家に憑くと信じられ、これらの”憑き物おとし”に活躍するものが陰陽師や密教僧などの行者や祈祷師で憑き物信仰の主たる担い手であったようです。
憑き物には他に、蛇、狸、猿、犬があると言われています。